イベント会場を探すとき、多くの担当者が重視する条件の一つが**「アクセス」**です。「駅徒歩5分以内」「ターミナル駅から近い」「新幹線駅からアクセスしやすい」こうした条件で会場を検索している方も多いでしょう。

しかし、ここで一つ考えてみてください。同じ「駅徒歩5分」なら、どの会場も同じくらいアクセスが良いのでしょうか?答えは、必ずしもYESではありません。

駅の規模、出口の位置、地下通路、信号、坂道、雨天時の動線、そして参加者の属性によって、実際の「行きやすさ」は大きく変わります。

連載最終回となる今回は、単なる「駅からの距離」では分からない、参加者目線で考える本当のアクセスの良さについて解説します。

「駅徒歩5分」は誰にとっての5分?

会場情報には、「○○駅から徒歩5分」と記載されています。便利そうに見えますが、実際に歩いてみると、「思ったより遠かった」という経験はないでしょうか。

例えば、大きなターミナル駅の場合。電車を降りてから改札まで数分。さらに目的の出口まで数分。そこから地上を5分歩く。

結果として、電車を降りてから会場まで10分以上かかることもあります。つまり、「駅徒歩5分」はアクセスを判断する一つの指標ではありますが、それだけで参加者の利便性を判断することはできません。

① 「最寄駅」より「利用する駅」を考える

会場選びでは、最寄駅だけを見るのではなく、参加者がどこから来るのかを考えることが重要です。

例えば、全国から参加者が集まるイベントなら、

・新幹線駅からのアクセス

・空港からのアクセス

を重視した方がよいでしょう。一方、首都圏の社員を対象とした社内イベントなら、

・複数路線からアクセスできるか

・主要オフィスエリアから移動しやすいか

の方が重要になるかもしれません。アクセスの良さとは、「会場が駅に近いか」ではなく、「参加者が会場へ行きやすいか」なのです。

② 巨大ターミナル駅は「近い=便利」とは限らない

新宿、東京、渋谷、池袋などの大規模な駅は、多くの路線が利用できるという大きなメリットがあります。その一方で、「出口が分からない」「反対側に出てしまった」「駅構内で迷った」ということも起こります。

特にイベントでは、普段そのエリアを利用しない参加者も来場します。

駅から徒歩3分でも迷いやすい会場と、徒歩7分でも一本道で分かりやすい会場なら、後者の方が参加者にとって便利なケースもあります。距離だけでなく「迷いにくさ」もアクセス評価に加える。これが重要です。

③ 雨の日でも同じ条件ですか?

イベント当日の天候は選べません。そこで確認したいのが、雨天時のアクセスです。

例えば、

・駅から地下通路で行ける

・屋根のある通路がある

・地下出口からすぐ

・ホテルと駅が直結している

といった会場なら、雨天時の参加者負担を大きく軽減できます。反対に、駅から近くても、長い信号待ちがある。

歩道橋を渡る。

坂道がある。

屋根がない。

という場合は、雨の日の体感距離が一気に長くなります。特にスーツ姿の参加者が多い企業イベントでは、意外と重要なポイントです。

④ 参加者の属性によって「良いアクセス」は変わる

同じ会場でも、参加者によって利便性の評価は変わります。

例えば、

経営層・VIPが多いイベント

電車だけでなく、タクシーやハイヤーでの来場を想定する必要があります。

車寄せや駐車場の有無も重要です。

シニア層が多いイベント

駅からの距離だけでなく、

・階段が少ない

・エレベーターがある

・坂道が少ない

といった条件も重要になります。

海外参加者が多いイベント

空港や主要駅からのアクセスに加え、

・案内表示の分かりやすさ

・施設名の認知度

・ホテルとの距離

なども考慮したいところです。

「誰が参加するイベントなのか」からアクセスを考えることが大切です。

⑤ 「会場まで」だけでなく「会場に入ってから」も確認

無事に施設へ到着しても、まだ安心はできません。大型ホテルや複合施設では、建物に入ってからイベント会場まで数分かかることがあります。例えば、

1階エントランス

エレベーター

宴会場フロア

クローク

受付

イベント会場

という動線です。エレベーターが少なければ、開場時間に参加者が集中する可能性もあります。会場内覧では、駅から会場までだけでなく、施設入口から受付・客席まで実際に歩いてみることをおすすめします。

⑥ 懇親会後のアクセスも忘れない

カンファレンスやセミナーの場合、本編終了後に懇親会を開催するケースも多いでしょう。そこで意外と重要なのが、イベント終了後のアクセスです。例えば、21時に懇親会が終了する場合、

・駅まで安全に歩けるか

・タクシーを拾いやすいか

・終電まで余裕があるか

・地方参加者が宿泊しやすいか

なども参加者体験に影響します。イベントのアクセスは、「来場」だけでなく「帰宅」まで考える。ここまで設計できると、会場選びの精度はさらに高くなります。

「駅徒歩○分」を5段階で評価してみる

第8回でご紹介した「会場選定評価シート」にも、アクセスを単純な距離ではなく複数項目で評価してみましょう。

例えば、

チェック項目評価
最寄駅からの距離★★★★★
主要駅からのアクセス★★★★☆
駅からの分かりやすさ★★★★★
雨天時のアクセス★★★☆☆
車・タクシーでの来場★★★★☆
施設内の移動★★★☆☆
終了後の帰りやすさ★★★★☆

このように整理すると、「駅徒歩5分だからアクセス★★★★★」という単純な評価ではなく、参加者目線で判断できるようになります。

会場選びで最も大切なこと

ここまで10回にわたり、イベント会場選びについて解説してきました。第1回から繰り返しお伝えしてきたのは、「条件が良い会場=良い会場ではない」ということです。

アクセスが良い。

料金が安い。

設備が充実している。

収容人数が多い。

雰囲気がいい。

もちろん、どれも大切です。

しかし、本当に重要なのは、

「そのイベントの目的を実現できる会場か?」

ということです。

良い会場は「イベントによって変わる」

300名の会場でも、セミナーなら最適。表彰式なら狭い。展示会なら搬入が難しい。懇親会ならちょうどいい。ということがあります。

つまり、すべてのイベントにとって最高の会場は存在しません。あるのは、「そのイベントにとって最適な会場」です。だからこそ会場選びでは、

イベントの目的

参加者

必要な体験

必要な設備・レイアウト

予算・アクセス

候補会場

という順番で考えることが重要です。

10回連載まとめ

会場選びには、想像以上に多くの判断があります。

アクセス。

収容人数。

レイアウト。

設備。

費用。

見積。

搬入。

参加者動線。

担当者。

運営のしやすさ。

一つひとつ確認していけば、失敗する可能性を大きく減らすことができます。しかし同時に、「ここまで全部、自分で確認するのは大変」と感じた方もいるのではないでしょうか。

それも当然です。イベント担当者の仕事は、会場探しだけではありません。

会場探しに時間を使いすぎない

イベント担当者には、

企画

社内調整

登壇者対応

集客

制作物

プログラム

参加者コミュニケーション

当日運営

など、多くの仕事があります。本来、担当者が時間を使うべきなのは、「どの会場が空いているかを調べること」ではなく、「どうすれば良いイベントになるかを考えること」ではないでしょうか。そこで選択肢になるのが、会場探しをプロに任せることです。

MICEプラットフォームのコンシェルジュサービス

MICEプラットフォームでは、イベント担当者に代わって会場探しをサポートするコンシェルジュサービスを提供しています。

例えば、「300名、東京駅周辺、表彰式+懇親会、ステージあり」といった条件をお伝えください。

そこから、

・条件整理
・候補会場探し
・空き状況確認
・見積取得
・複数会場の比較
・条件調整
・運営視点でのアドバイス

までサポートします。単に条件に合う施設を検索するのではなく、イベント当日の運営まで考えて会場をご提案できることが、イベント会社でもあるMICEプラットフォームの特徴です。

「会場を紹介する」のではなく、「イベント成功まで伴走する」

会場選びで本当に避けたいのは、数万円高い会場を選ぶことではありません。本当に避けたいのは、「受付が混雑した」「搬入できなかった」「控室が足りなかった」「配信環境が不十分だった」「参加者が会場まで迷った」といった、イベント当日に発生する失敗です。

だからこそ、会場選びでは価格だけではなく、**「失敗コストを減らす」**という視点も持っていただきたいと思います。

編集部より

全10回にわたり、「会場選びでイベントは決まる」をお読みいただき、ありがとうございました。

この連載を通してお伝えしたかったことは、とてもシンプルです。

イベント成功は、会場選びから始まっています。

そして、会場選びに迷ったら、すべてを一人で抱える必要はありません。自分で探す。比較する。そして、難しいところはプロに相談する。

そんな会場選びが、もっと当たり前になれば、イベント担当者の負担を減らしながら、より良いイベントを増やせるはずです。

会場探しに、プロのイベントコンシェルジュを。

条件を伝えるだけ。会場探しから比較・調整までまとめてサポート。

全国のイベント会場を探せるMICE会場マッチと、イベント会社のプロによるコンシェルジュサービスで、あなたのイベントに最適な会場選びをお手伝いします。

「会場を紹介する」のではなく、「イベント成功まで伴走する」。

「どの会場を選べばいいか分からない」という段階から、ぜひご相談ください。