アムステルダム(オランダ)

オランダの首都アムステルダムは、歴史ある街並みと先進的な都市政策が共存するヨーロッパ有数のMICE都市です。

スキポール空港から市内まで約20分という優れたアクセスに加え、コンパクトな都市設計、充実した公共交通網、多彩なイベント施設を備え、世界中から国際会議や企業イベントを誘致しています。

近年では「イベントを開催する都市」ではなく、イベントを通じて社会課題を解決する都市という考え方を掲げ、国際的な評価を高めています。さらに、Meetings Star 2026では世界有数のMICE都市として上位にランクインしており、その競争力は現在も高く評価されています。

MICE戦略「Impact(社会的インパクト)」を重視した誘致戦略

アムステルダムでは、イベント数を増やすことだけを目的としていません。

誘致する国際会議や展示会についても、

  • ライフサイエンス
  • AI・デジタル
  • クリーンエネルギー
  • モビリティ
  • サーキュラーエコノミー

など、地域産業との親和性が高い分野を積極的に誘致しています。

イベント終了後も企業・大学・研究機関との連携を生み、新たなイノベーションにつなげる「レガシー(開催効果)」を重視している点が特徴です。

注目施設 RAI Amsterdam Convention Centre

RAI Amsterdam Convention Centreは、ヨーロッパを代表する大型コンベンションセンターの一つ。

特徴は、

  • 約11万㎡を超える展示スペース
  • 国際展示会・大型カンファレンス対応
  • 約70以上の会議室
  • スキポール空港から約15分
  • トラム・地下鉄で市内中心部へ好アクセス

毎年、医療・テクノロジー・建築・スタートアップなど幅広い分野の国際イベントが開催されています。

アムステルダムがMICE都市として成功した5つの理由

① 空港から市内まで圧倒的なアクセス

スキポール空港から市内・会場まで短時間で移動でき、海外参加者の利便性が高い都市です。

② 都市全体が徒歩・自転車で移動できる

主要ホテル、観光地、会場がコンパクトにまとまり、参加者の移動負担を軽減しています。

③ イノベーション産業との連携

スタートアップや大学、研究機関との連携を通じ、イベントから新たなビジネス創出を目指しています。

④ サステナビリティへの取り組み

公共交通や自転車利用を前提とした都市設計に加え、環境配慮型の会場運営や地域との共生を重視しています。

⑤ 「開催後の価値」を設計している

イベント終了後も産業振興、人材交流、研究開発などにつながる仕組みづくりを重視しています。

BizMICE Insight

アムステルダムから学べる最大のポイントは、「イベントは開催して終わりではなく、その後に何を生み出すかまで設計する」という考え方です。

日本でもイベントの成功は、参加人数や満足度で評価されることが少なくありません。

しかし今後は、

  • 新規商談の創出
  • 採用への波及
  • 地域経済への貢献
  • メディア露出
  • コミュニティ形成

など、中長期的な成果まで見据えたイベント設計が求められます。MICEは単なる集客施策ではなく、企業や都市の未来をつくる投資へと進化しています。

Destination Watch Score

評価項目評価
国際競争力★★★★★
展示会誘致力★★★★★
国際会議★★★★★
アクセス★★★★★
サステナビリティ★★★★☆
日本が学べる度★★★★★

日本との比較

項目アムステルダム日本
都市戦略社会的インパクト重視イベント開催重視
強み産学官連携・イノベーション安全・おもてなし
交通空港・会場・市街地が近い都市により差がある
今後の課題国際競争の激化レガシー創出の強化

編集部コメント

世界のMICE都市は、「会場の規模」や「アクセスの良さ」だけで競争する時代から、「イベントが都市や産業にどのような価値を残すか」を競う時代へと移行しています。アムステルダムは、その代表例です。日本でも、産学官連携や地域資源を生かしたイベント設計を進めることで、国際競争力をさらに高めることができるでしょう。