企業イベントの華やかな舞台。その裏側では、名もなき担当者たちが、正解のない仕事に向き合っている。

青嶺テクノ株式会社で働く相原美咲も、その一人だった。

イベント経験はほとんどない。最初に任されたのは、小さな社内イベント。手探りのまま準備を始め、Excel、メール、電話、付箋を頼りに、目の前の仕事をひたすら処理していく。

しかし、会場選びの迷走、見積もりの見落とし、社長からの突然の追加要望、関係者への連絡漏れ――。イベントの規模が大きくなるほど、美咲の気合と経験だけでは乗り越えられない問題が次々と立ちはだかる。

失敗のたびに立ち止まり、参加者にとっての価値とは何か、イベントの成功とは何かを考え始める美咲。やがて彼女は、イベントプロジェクト管理ツール「MICE Joy」や、開催に必要な会場・人・モノ・サービスを探せる「MICEマッチ」と出会い、イベントの進め方そのものを変えていく。

小さな社内イベントから、200人規模の周年イベントへ。そして、その先に待つ日本最大級のコーポレートイベントへ。

これは、どこにでもいる一人のイベント担当者が、失敗と出会いを重ねながら、自分にしかつくれない舞台へたどり着くまでの物語である。

※本連載はフィクションです。登場する企業・人物・出来事は架空ですが、企業イベントの現場で実際に起こり得る課題をもとに構成しています。

主人公プロフィール

相原 美咲(あいはら・みさき)

青嶺テクノ株式会社
経営企画部 社内コミュニケーション推進担当・主任

29歳。法人向け業務システムやデジタル機器を手がける青嶺テクノ株式会社に勤務。

学生時代はバレーボール部に所属。持ち前の行動力と粘り強さで、頼まれた仕事には全力で取り組む体育会系タイプ。明るく親しみやすく、社内の誰にでも臆せず話しかけられることが強みである。

一方で、「自分が頑張れば何とかなる」と仕事を抱え込みやすく、イベント準備もExcel、メール、電話、付箋で乗り切ろうとしてしまう。分からないことがあっても周囲に相談するより、先に動き出してしまうのが弱点。

小さな社内イベントの担当に任命されたことをきっかけに、イベントの世界へ足を踏み入れる。数々の失敗を経験するなかで、イベントは単に人を集めて楽しませるものではなく、会社や参加者を動かす力を持つことに気づき始める。

年齢: 29歳
所属: 経営企画部
役職: 主任
担当: 社内コミュニケーション施策、社内イベントの企画・運営
性格: 明るい、負けず嫌い、行動派、少しおっちょこちょい
強み: 行動力、粘り強さ、参加者目線、周囲を巻き込む力
弱み: 仕事を抱え込みやすい、勢いで進めてしまう、助けを求めるのが遅い
口癖: 「まず、やってみます」
目標: 参加者と会社の未来を動かすイベントをつくること


主な登場人物

高橋 浩司(たかはし・こうじ)

青嶺テクノ株式会社
経営企画部長/相原美咲の直属上司

美咲に最初の社内イベントを任せた人物。普段は口数が少なく、部下に細かな指示を出すタイプではない。

イベント終了後、美咲に「何が成功だったのか」と問いかけ、イベントの目的や成果を考えるきっかけを与える。厳しく見えるが、美咲の行動力と成長の可能性を高く評価している。


佐伯 直人(さえき・なおと)

青嶺テクノ株式会社
情報システム部・主任/美咲の同期

社内の業務システムやDXを担当する、美咲の同期。物事を感覚ではなく、仕組みやデータで考えるタイプ。

Excelとメールによるイベント管理に限界を感じていた美咲へ「MICE Joy」を紹介する。美咲とは対照的に冷静で論理的だが、困っている人を放っておけない性格。


黒田 修一(くろだ・しゅういち)

青嶺テクノ株式会社
代表取締役社長

創立30周年を迎える青嶺テクノの社長。会社の歴史を大切にする一方、次の30年に向けて組織を変える必要性も感じている。

イベントに対して突然追加要望を出すこともあるが、それは社員や会社への思いが強いからでもある。美咲に200人規模の創立30周年記念イベントを任せ、成長への大きな機会を与える。


三浦 由紀(みうら・ゆき)

青嶺テクノ株式会社
人事部長

若手社員の定着や、部署を越えた社内コミュニケーションに課題を感じている。創立30周年記念イベントでは、永年勤続者表彰や社員交流企画を担当する。

イベントを単なる式典ではなく、社員エンゲージメントを高める機会として捉えている。


小野寺 徹(おのでら・とおる)

青嶺テクノ株式会社
総務部長

会場、予算、社内調整など、周年イベントの実務面を統括する。慎重で現実的だが、ときどき現場への影響を深く考えず、「何とかなるよね」と変更を依頼してしまう。

美咲にとっては、経営側の要望と現場の事情を調整する難しさを学ぶ相手でもある。


神谷 玲奈(かみや・れな)

青嶺テクノ株式会社
広報部長

社内外への情報発信と、会社のブランドイメージを担当。創立30周年記念イベントでは、会社の歴史を振り返る映像や、今後のビジョンを伝える演出を提案する。

表現や見せ方へのこだわりが強く、美咲と意見がぶつかることもあるが、イベントの完成度を高める重要な存在となる。


舞台となる企業

青嶺テクノ株式会社

法人向け業務システムやデジタル機器の企画・開発・販売を行う、従業員約280名の企業。東京本社のほか、大阪と福岡に拠点を持つ。

堅実な経営を続け、創立30周年を迎える一方、部署間の交流不足、若手社員の定着、会社の将来像の共有といった組織課題を抱えている。

創立30周年記念イベントをきっかけに、美咲だけでなく、会社そのものも少しずつ変わり始める。

連載一覧

Vol.1 そのイベント、君が担当して

Vol.2 消えた会場と、50本の電話

Vol.3 見積書にない30万円

Vol.4 最新版は、どれですか?

Vol.5 本番5分前、司会者が来ない

Vol.6 「楽しかった」の、その先へ

Vol.7 200人のイベントは、Excel一枚では動かない