【世界のイベントから学ぶ Vol.5】Web Summitに学ぶ。「偶然の出会い」を設計するイベントのつくり方
イベントに参加したあと、最も印象に残るのは何でしょうか。
著名な講演者の話でしょうか。
最新製品との出会いでしょうか。
もちろん、それらも大切です。しかし、多くの参加者が「参加して良かった」と感じる理由は、思いがけない人との出会いにあります。世界最大級のテクノロジーカンファレンス「Web Summit」は、その「偶然の出会い」をイベント設計の中心に据えています。
今回は、ポルトガル・リスボンで開催されるWeb Summitから、企業イベントでも活用できるネットワーキングの考え方を紹介します。
Web Summitとは?
Web Summitは、世界100か国以上からスタートアップ、投資家、経営者、エンジニア、メディアなどが集まる国際的なテクノロジーカンファレンスです。
毎年数万人規模が参加し、「世界で最も影響力のあるテクノロジーカンファレンスの一つ」とも称されています。
AI、フィンテック、マーケティング、サステナビリティ、ヘルステックなど、多彩なテーマを扱う一方で、参加者が高く評価しているのが「新しい人とつながれること」です。
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ネットワーキングは”休憩時間”ではない
多くのイベントでは、ネットワーキングは講演の合間や懇親会に任されています。しかし、Web Summitでは、ネットワーキングそのものが重要なプログラムです。
会場内には、
- テーマ別ラウンジ
- 投資家とスタートアップのマッチングエリア
- 業界別交流スペース
- 少人数のラウンドテーブル
など、多様な交流の場が設けられています。
参加者は自分の目的に応じて交流できるため、「名刺交換だけで終わる」ことが少なく、具体的な商談や協業につながるケースも多く見られます。
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AIとデータで”出会い”を最適化する
Web Summitでは、イベントアプリを活用し、参加者の興味や業種、役職などをもとに、おすすめの参加者やセッションを提案する仕組みが取り入れられています。「誰と話せばいいかわからない」という課題を減らし、参加者同士のマッチングを後押ししています。
企業イベントでも、参加登録時のアンケートやプロフィール情報を活用すれば、
- 同じ課題を持つ担当者
- 同じ業界の参加者
- 相性の良い商談先
などを紹介することが可能です。これからは、イベントにおいてもAIやデータを活用したマッチングが重要な価値になっていくでしょう。
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交流が生まれる空間デザイン
Web Summitの会場を歩くと、至るところで参加者同士が会話をしています。その理由は、交流を促す空間設計にあります。
立ち話がしやすいテーブル、気軽に座れるソファ、カフェスペース、充電エリアなど、自然と人が集まる場所が各所に配置されています。「座る場所」を増やすだけではありません。「話したくなる場所」をつくることが、交流を生み出すポイントなのです。
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イベントの成果は”商談数”だけではない
Web Summitでは、イベント終了後も参加者同士がつながり続けることを重視しています。
イベントアプリを通じて連絡を取り合ったり、オンラインコミュニティで情報交換を続けたりと、イベントは新たな関係のスタート地点として機能しています。
企業イベントでも、「何件の商談が生まれたか」だけでなく、
- 新しい人脈ができた
- 他社事例を学べた
- 次回も参加したいと思えた
といった価値を提供できれば、イベント全体の満足度は大きく向上します。
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日本企業が取り入れたい4つのポイント
① ネットワーキングをプログラムとして設計する
交流は「空いた時間」に任せるのではなく、目的を持ったセッションとして組み込むことが重要です。
② データを活用した参加者マッチング
プロフィールや関心分野をもとに、おすすめの交流相手やセッションを提案する仕組みを取り入れましょう。
③ 会話が生まれる空間をつくる
立ち話だけでなく、少人数で落ち着いて話せるスペースを設けることで、交流の質が高まります。
④ イベント後もつながりを継続する
コミュニティサイトやSNS、フォローアップセミナーなどを活用し、参加者との関係を継続させる仕組みを整えましょう。
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編集部からの考察
第1回では「体験価値」、第2回では「街全体を会場化する発想」、第3回では「未来を体験する展示」、第4回では「コミュニティを育てるイベント」を紹介しました。
そして今回のWeb Summitが教えてくれるのは、「人と人との出会い」も、偶然ではなく設計できるということです。企業イベントの価値は、コンテンツだけで決まる時代ではありません。
どんな人と出会い、どんな会話が生まれ、どんな新しい挑戦につながるのか。そのきっかけをデザインすることが、これからのイベントプロデューサーに求められる新しい役割ではないでしょうか。
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◆過去の連載
第1回:【世界のイベントから学ぶ】チケットがなくても参加できる。ワールドカップのファンゾーンに学ぶ「イベント体験」のつくり方
第2回:【世界のイベントから学ぶ】SXSWに学ぶ。「会場」ではなく「街」をデザインするイベントのつくり方
第3回:【世界のイベントから学ぶ】CESに学ぶ。「展示」ではなく「未来」を体験させるイベントの作り方
第4回:【世界のイベントから学ぶ】Dreamforceに学ぶ。「イベントは一日で終わらない」コミュニティを育てるイベント設計







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