世界には数多くのMICE都市がありますが、「展示会・コンベンション」という視点で圧倒的な存在感を放つ都市があります。

それがアメリカ・ラスベガスです。

「カジノの街」というイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし現在のラスベガスは、観光都市というよりも世界最大級のビジネスイベント都市へと進化しています。CES、NAB Show、IMEX Americaなど、世界を代表する展示会が毎年開催され、巨大な経済効果を生み出しています。今回は、ラスベガスが世界トップクラスのMICE都市となった理由を探ります。

「展示会」が街の経済を支える

ラスベガスの観光産業を支えているのは、カジノだけではありません。

展示会や国際会議、企業イベントなどのビジネスイベントは、ホテル、飲食、交通、小売など幅広い産業へ波及効果をもたらし、都市経済の重要な柱となっています。ラスベガスではMICEを含む来訪者消費が地域経済を大きく支える構造が確立されています。

世界最大級の展示会場

ラスベガスには、

  • Las Vegas Convention Center(LVCC)
  • Mandalay Bay Convention Center
  • Venetian Expo
  • Caesars Forum

など、世界最大級の展示・会議施設が集積しています。

なかでもLVCCは約260万平方フィート(約24万㎡)を超える展示スペースを持ち、世界有数の展示会場として知られています。

CESが街全体を展示会場に変える

毎年1月に開催される**CES(Consumer Electronics Show)**では、世界中から企業やメディア、スタートアップが集結します。

展示会場だけでは収まりきらず、

  • ホテル
  • レストラン
  • 屋外スペース
  • スイートルーム

まで商談会場になります。街全体がイベント会場へ変わる——これこそラスベガス最大の特徴です。

ホテルがそのままMICE施設

ラスベガスでは大型ホテルの多くが、

  • 数千室規模の客室
  • 巨大会議場
  • 展示ホール
  • レストラン
  • エンターテインメント

を一体化しています。参加者は徒歩圏内で移動できるため、移動時間を最小限に抑えながら商談や交流に集中できます。

エンターテインメントが参加価値を高める

ラスベガスでは「夜」が終わりではありません。ショーやスポーツ観戦、レストラン、ライブなど、ビジネスイベント後の体験まで含めて都市が設計されています。

そのため企業は、「展示会」だけでなく「顧客招待」「VIPイベント」「インセンティブ旅行」の開催地としてもラスベガスを選択しています。

インフラ投資を止めない都市

ラスベガスはイベント需要の拡大に合わせて、展示施設や交通インフラへの投資を続けています。

近年では、ラスベガス・コンベンションセンターの大規模拡張や、会場間を結ぶ移動システムの整備など、参加者体験を高める取り組みも進められています。

日本が学べること

ラスベガスの成功は、「大きな展示会場を作った」ことだけではありません。

重要なのは、

  • 宿泊
  • 会場
  • 交通
  • 飲食
  • エンターテインメント

を都市全体で連携させ、一つの体験として提供していることです。日本にも東京ビッグサイトやインテックス大阪、幕張メッセなど優れた施設があります。

今後さらに国際競争力を高めるには、「施設単体」ではなく、「都市全体でイベントを支える仕組みづくり」が重要になるでしょう。

編集部より

ラスベガスを歩くと、「イベントが街を動かしている」ことを実感します。展示会が開催されるとホテルは満室になり、飲食店や交通機関も活気づき、街全体がビジネスの熱気に包まれます。

MICEとは単なる会議や展示会ではなく、都市の経済を動かすインフラです。ラスベガスは、そのことを最も分かりやすく体現している都市と言えるでしょう。