企業イベントは「開催すること」が目的ではありません。展示会、ユーザーイベント、セミナー、表彰式、株主総会——イベントの種類は違っても、必ず「達成したい目的」が存在します。
しかし実際には、「参加者から好評だった」「無事終わった」という感覚的な評価で終わってしまうケースも少なくありません。本当にイベントが成功したのかを判断するためには、「KPI(重要業績評価指標)」を事前に設定することが重要です。今回は、イベント担当者が押さえておきたいKPI設計の考え方をご紹介します。
なぜイベントにKPIが必要なのか?
イベントは多くの予算と人的リソースを投入するプロジェクトです。そのため経営層からは必ず、「そのイベントで何が得られたのか?」という問いが投げかけられます。
KPIがないと、
- 成果を説明できない
- 次回改善につながらない
- 投資判断ができない
という状態になってしまいます。つまりKPIとは、イベントの成果を「見える化」するための共通言語なのです。
KPIは目的から逆算して決める
よくある失敗は、「参加者数だけをKPIにする」ことです。例えば500名集客できても、本来の目的が商談創出であれば、それだけでは成功とは言えません。まず最初に考えるべきなのは、「このイベントは何のために開催するのか」という目的です。
例えば、
リード獲得イベント
目的:新規顧客との接点を増やす
KPI例
- 申込者数
- 来場率
- 名刺獲得数
- 商談化率
- 受注件数
ユーザーイベント
目的:既存顧客との関係強化
KPI例
- 参加率
- アンケート満足度
- NPS
- 継続利用率
- アップセル件数
社内イベント
目的:エンゲージメント向上
KPI例
- 参加率
- アンケート結果
- 社内SNS投稿数
- 部門横断交流数
- 離職率への影響
イベントによって見るべき数字はまったく異なります。
イベントは「開催前」から始まっている
KPIは当日だけを見るものではありません。
イベントは
- 集客
- 準備
- 当日運営
- フォロー
という4つのフェーズで構成されています。それぞれにKPIを設定すると改善ポイントが明確になります。
開催前
- 集客進捗
- メール開封率
- LP閲覧数
- 申込率
当日
- 来場率
- セッション参加率
- 滞在時間
- アプリ利用率
開催後
- アンケート回収率
- 商談化率
- 受注率
- SNS投稿数
- リピート参加率
このように分解すると、課題がどこにあるのかが見えやすくなります。
定量だけでなく「定性」も重要
数字だけでは測れない価値もあります。
例えば、
- 「来年も参加したい」
- 「社内で共有したい内容だった」
- 「登壇内容が非常に参考になった」
といった参加者の声は、イベントの価値を示す重要な情報です。アンケートの自由記述やインタビューなども積極的に活用しましょう。
KPIを共有するとチームも動きやすくなる
イベントには、
- 主催者
- 制作会社
- 会場
- 映像
- 配信
- 運営スタッフ
など、多くの関係者が関わります。最初にKPIを共有しておけば、「何を優先すべきか」という認識を全員で揃えることができます。結果として、意思決定もスムーズになり、プロジェクト全体の質も向上します。
編集部より
イベントの成功は、「良いイベントだった」という感想だけでは判断できません。
イベント終了後に成果を振り返り、改善を積み重ねることで、イベントは企業にとって強力なマーケティング資産となります。その第一歩となるのがKPI設計です。
次回イベントを企画する際には、ぜひ「何を測るのか」から考えてみてください。
BizMICEでは今後も、イベント担当者の皆さまが現場で活用できる知識やノウハウを、BizMICEアカデミーを通じてお届けしてまいります。








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