世界のMICE市場では、「都市間競争」が年々激しさを増しています。その中でも存在感を高め続けているのがアラブ首長国連邦・ドバイです。
かつては中東の貿易都市というイメージが強かったドバイですが、現在では世界有数の国際展示会・国際会議の開催都市として、多くのグローバル企業や団体を惹きつけています。
その背景には、「イベントを開催する都市」ではなく、「イベントを通じて世界中の企業・人材・投資を集める都市」を目指す明確な戦略があります。
MICEを都市ブランドの中心に据えるドバイ
ドバイでは、MICEは観光施策ではなく、都市経済を支える基幹産業として位置付けられています。政府は、Dubai Department of Economy and Tourismを中心に、展示会・国際会議・インセンティブ旅行を積極的に誘致し、都市ブランドの向上と海外投資の呼び込みを進めています。
また、世界最大級の展示会場の一つである**Dubai World Trade Centre(DWTC)**では、IT、医療、建設、食品、エネルギーなど、多様な分野の国際展示会が年間を通じて開催されています。MICEを軸に、航空、ホテル、小売、スタートアップ、金融など幅広い産業へ経済効果を波及させる戦略が特徴です。
「アクセスの良さ」が世界中から人を集める
ドバイ国際空港は、ヨーロッパ・アジア・アフリカを結ぶハブ空港として機能しています。8時間圏内で世界人口の多くをカバーできる地理的優位性を生かし、世界各地から参加者を集めやすい環境を整えています。
このアクセス性は、国際会議や展示会の開催地として選ばれる大きな理由の一つです。
展示会を「商談の場」で終わらせない
ドバイでは、展示会は単なる製品紹介の場ではありません。
- 海外企業との投資マッチング
- スタートアップ支援
- 政府機関との連携
- 新規ビジネス創出
など、イベント終了後もビジネスが継続する仕組みづくりが重視されています。この「成果につながるイベント設計」は、日本の展示会運営にとっても参考になる考え方です。
世界の注目施設
Dubai World Trade Centre(DWTC)
1979年に開業したDWTCは、現在も中東を代表するMICE施設です。年間を通じて数多くの国際展示会やカンファレンスが開催され、周辺にはホテル、オフィス、商業施設が集積しています。
単なる展示会場ではなく、「ビジネスエコシステム」の中心として機能している点が最大の特徴です。
BizMICE Insight
ドバイの事例から学べるのは、「MICE施設を造ること」がゴールではないということです。
重要なのは、
- 世界中から人を集める理由をつくること
- その都市ならではの産業と結び付けること
- イベント後もビジネスが続く仕組みを設計すること
です。日本でも、地域ごとの産業や強みを生かしたMICE戦略を描くことで、展示会や国際会議が地域経済を牽引する存在になり得ます。
シンガポールやバンコク、そしてドバイに共通するのは、MICEを都市経営の重要なインフラとして位置付けている点です
編集部コメント
世界の主要MICE都市は、会場の規模だけではなく、「都市としてどのような価値を提供できるか」を競っています。
日本でも、大阪・横浜・福岡・神戸・札幌など、それぞれの都市が独自の産業や文化を生かしたMICE戦略をさらに磨くことで、国際競争力を高める余地があります。「イベントを開催する都市」から、「イベントによって都市を成長させる都市」へ。
ドバイの取り組みは、その未来像を示す好例と言えるでしょう。








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